vol.203

GIGAスクール構想と図書教材
一般社団法人全国図書教材協議会相談役
佐野 金吾

新学習指導要領(平成29年告示)の着実な実施を見据えて中教審答申『「令和の日本型学校教育」の構築を目指して』(令和3年1月26日)が発出されましたが、そこではGIGAスクール構想の実現を訴えています。義務教育諸学校のICT環境の整備は、新型コロナウイルスによる感染症対策も考慮され、各教育委員会の努力によって急速に進められています。現在では、全国の多くの小・中学校でICTを活用した学習活動が行われるようになりました。GIGAスクール構想の実現には、デジタル庁、文部科学省をはじめとして経済産業省、総務省などが連携して取り組んでいます。こうした経過の中で、これまで図書教材には携わりの少ない、いわゆる教育産業がデジタル教材の開発(EdTechの一類型)に参入していることがあげられます。

児童生徒一人一台の端末整備とともにICTの有効活用を目指した学習環境の整備には教育産業やグローバル産業が深く関わり、その過程で企業と学校(地教委)との関わりが密になっています。教育産業が手がけているデジタル教材は単なる教材としての機能だけではなく、児童生徒一人一人の学びの記録(学習ログ)の機能を持っています。学習ログを分析・活用することによって、児童生徒一人一人が学びの振り返り、補充的な再学習や深い学びなど、個別の学習が行われ、さらに新しい学び方、考え方、表現の仕方、情報の交流等が行われるなど、GIGAスクール構想が目指す学びのイノベーションが進められ、児童生徒一人一人の「主体的・対話的で深い学び」の実現にも寄与しています。

GIGAスクール構想は、従来の授業や紙媒体による図書教材の在り方の根本的な見直しを求めています。

〜図書教材新報vol.203(令和4年3月発行)巻頭言より〜