vol.197

英語教育について
一般社団法人日本図書教材協会副会長
星槎大学特任教授
新井 郁男

小学校に英語が教科として導入されることになった。これについてはさまざまな論議があるところであるが、導入が決まった以上、どのように実施するかについて前向きに考えていかなくてはならないであろうが、英語教育に関して、かねがね思案していたことがある。

そのひとつは、英語と言っても、イギリスとアメリカでは表現のしかたが違うことが多く、言葉が同じでも意味が違う場合も多いというようなことを英語の授業のなかで、適宜教えることが必要ではないかということである。さらに言えば、英語は英米だけでなく、その他の多くの国でも主要な言語として使われているが、表現、意味合いなどは必ずしも同じではない。そういうことを例をあげて説明することが重要だと思うが、これまでに見た英語の授業でこのような説明をしている場面に遭遇したことがない。

もうひとつは、国語の教科書に出てくる外来語(カタカナ語)についてきちんと説明することの重要性である。野球の試合場面での説明でクロス・プレーという言葉が出てきたとき、その意味について一人の児童が、「塁上で野手とランナーの足が交差した」と答えたところ、教師は「そうだね」とうなずいただけだった。

また、街を歩いていると、「閉店している」をclose と書いている店が非常に多いことにも驚くが、こんなことも子どもたちに気付かせてほしい。

これはほんの一例に過ぎないが、提起したいことは、以上に述べたようなことを教師が適切に指導するための教材を開発することである。

〜図書教材新報vol.197(令和3年9月発行)巻頭言より〜