vol.128

なぜ、いま「チーム学校」なのか
一般社団法人日本図書教材協会会長
菱村 幸彦

 いま教育界で一番流行っている言葉は「アクティブ・ラーニング」だろう。これほどではないが、このところ「チーム学校」という言葉をよく目にする。

 学校は、本来、教職員がチームを組んで運営される組織である。なのに、なぜ改めて「チーム学校」というのか。この背景には、教職員の多忙な現状を改善したいという思いがある。

 OECD(経済協力開発機構)の教員調査(TALIS、2013年)によると、我が国の教員は、調査対象34か国の中で一番勤務時間が長いという結果が出ている。過重な超過勤務を是正するには、教員の定数増が欠かせない。

 事実、文科省は、毎年のように教員定数改善計画を策定して、教員の定数増を要求している。が、財務省の厚い壁に阻まれて教員増は難しい。むしろ、近年は予算編成のたびに財政当局から教職員の削減案が持ち出され、状況は一段と厳しくなっている。そこで、従来とは違う論理で、学校の人的組織の充実を図ろうということから、「チーム学校」の構想となったわけだ。

 「チーム学校」として重点を置いているのは、教職員以外の専門スタッフの充実である。多様な職種の専門スタッフを学校に配置し、教職員と専門スタッフが専門性を発揮することで、チームとして学校の総合力・教育力を最大限に発揮できる体制を構築しようというのだ。

 専門スタッフとしては、[1] 心理や福祉の専門性のあるスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー、[2] 特別支援教育において医療的ケアを行う看護師・教育支援員・就職コーディネーター、[3] 授業等で教員を支援するICT支援員・学校司書・英語指導の外部人材、[4] 補習など学校の教育活動をサポートするスタッフや部活動指導員等の充実を目指している。

 専門スタッフの充実も予算措置なしでは実現できない。今後、どこまで専門スタッフの予算措置ができるかが課題である。

〜図書教材新報vol.128(平成27年12月発行)巻頭言より〜