vol.111

妥当性、信頼性を高める学習評価と教材
一般社団法人全国図書教材協議会会長
佐野金吾

 学期末は1学期の学校生活における学習の状況を総括したいわゆる「成績通知表」が児童生徒一人一人に手渡される。家庭では「成績通知表」から子どもの学校生活、特に学習活動に関する評価情報を読み取ろうとするため保護者はかなり厳しい態度で見ることになる。

 観点別学習状況評価の趣旨にそって単元終了時等、随時に子どもの学習状況を家庭に情報提供をしている学校も増えているが未だ少数派に過ぎない。学期末に昔ながらの「成績通知表」を儀式的に手渡すことで評価情報を伝えているつもりの学校が多い。保護者にとっても児童生徒にとっても学校から提供された評価情報に納得できればいいのだが、そうでない場合には教師や学校への不信感につながる。このことにかかわって、ここ2〜3年間に急速に増えてきた若い教師の学習評価への取り組み方が気になる。学習評価は観点別学習状況評価を行っているようだが、評価のねらい・内容・方法についての理解が十分ではない教師が多い。形式的には4観点によって評価をしようとしているが、学習評価についての基本的な考え方が従来のテストと同様にとらえているため、ドリルやペーパーテストの点数によって学期末の評価・評定が行われている。これでは学習評価の妥当性を求めることはできず児童生徒や保護者から信頼される学習評価とならない。

 教師の多忙な職場環境では学習評価を何のために行うのか、観点別学習状況評価のねらい、内容・方法等についてじっくりと時間をかけて考えたり職場の仲間と相談したりする状況ではないが、学習評価改善に取り組まなければ学校教育への信頼は失われる。

 関係各位には、すべての教師が観点別学習状況評価の趣旨にそった適切な学習評価を実践できる評価教材の開発と普及を切に願う次第である。すべての教師が妥当性を確保した学習評価を実施できるようになれば学校教育への信頼性も高まり、学習活動の一層の充実を期待できる。

〜図書教材新報vol.111(平成26年7月発行)巻頭言より〜